坂道講師工事中のブログ

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乃木坂46おひとりさま天国から、乃木坂46楽曲にみられる孤独観を考える。

今週は、乃木坂46、おひとりさま天国、PV解禁でした。

 


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まず、特徴的なのが、一人でいることを肯定的に歌ったかんじ。

自由できらく、もめることもない。本当の自分でいられるとうたっています。

 

乃木坂46の曲は、どちらかと孤独をマイナスイメージで歌っている曲が多かったので印象的でした。

 

まず思い出したのが、西野七瀬さんセンターの2014年発売

気づいたら片思い

 


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気づいたら片思いは

歌詞の一説

誕生日もクリスマスもバレンタインも一人で過ごせる強さをようやく身に着けたはず。

 

でもあなたのことが気になる的な歌でした、

誕生日、クリスマスのくだり、おひとりさま天国では、気づいたら片思いからゴールデンウイークが加わったなと真っ先に気づいたら片思いが想起されました。

気づいたら片思いを意識した歌詞なのでしょうか?

 

続いて、2013年発売、生駒里奈さんセンターの君の名は希望


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透明人間と呼ばれていた主人公。

ボールを拾うまで待ってくれた、自分の存在に気付いてくれる他人の存在で、

誰かを恋しくなる自分になっている自分になるという曲。

 

曲中の孤独の描写は下記2か所

いつの間にか孤独になれていたけど僕が拒否してたこの世界は美しい

孤独より居心地が良い愛のそばで幸せを感じた

 

 


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続いて2018年発売白石麻衣センターのシンクロニシティ

従来難易度の高いダンスに着目されがちでしたが、

2023夏の全国ツアーではピアノバージョンで、メンバーが歌い継ぐ演出が見られ、

近年、その歌詞のメッセージ性にも注目されているんじゃないかと思ってますが。

この曲は、最初、

悲しいことが、あると一人で夜の街をひたすらあるく。

すら違う見ず知らずの人、少しだけこの痛みを感じてくれないかと

他人と痛みを共有、共有してもらっていると感じることで悲しみが軽くなるというメッセージが込められている。

 

一人では一人ではまけそうな突然やってくる悲しみさえ

一緒に泣く誰かがいて乗り越えられるんだ

 


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続いては2019年発売、齋藤飛鳥さんセンター、sing out

2番の歌詞が特に印象的です。

もし泣いている人がどこかにいても

わけなんか聞いたって意味がない

(中略)

ただじっとかぜに吹かれて

同じ空みあげるように

いっしょにいてあげればいい

吹きさらしのそのこころ

ぬくもりが欲しくなる

孤独はつらいよ

 

でてきました孤独のキーワード

 

さらには、

人はみな弱いんだ

お互いに支えあって前向いていこう

というフレーズも出てきます。

 

上記4つの曲では、孤独はつらい。だから他者の存在が必要というスタンスの曲調でした。

 

この点、自由で気楽なおひとりさま天国という今回の乃木坂46の曲は、

従来の乃木坂ソングの孤独観と一線を画しているのかなと思ったりもしました。

 

そんなとき、solitudeとlonelinessの違いについて論じた2017年東大入試英語の長文を思い出しました。

 

solitude and loneliness|Y's Factory (note.com)

 

 

上記の一節からとられた文章では、

Solitude ― the capacity to be contentedly and constructively alone ― is built from successful human connection at just that time.

つまり、一人を楽しむためには、円滑な良好な人間関係があることからつくられるとも述べられています。

 

ここまで来て、乃木坂46の今までの楽曲とのつながりが見えてきたように思えました。

 

君の名は希望で描かれたように、透明人間のような存在だった、自分が、他人との関係性を通じて、希望を見出すことができた。

シンクロニシティやsing out のように、悲しいことを共有できる他者の存在によって、人は生きていれる。

 

今回のおひとり様天国は、そうした支えてくれる良好な人間関係を前提に、

一人の時間を自分らしく過ごすことを歌ったもので、決して、集団嫌い、一人がいいという話じゃないのかなと私は、解釈しました。

 

そういった意味で、今回のPV、個人個人にスポットライトが当たって、でもその中で乃木坂というグループの良さを伝えているようで、ファンとしてはなんかほっこりしました。

多分にファン目線の我田引水な解釈あるとも思いましたが、新しい挑戦でいいなって思いました。